
バンドの街、東京・高円寺にあるソナタ荘で、人知れずひとつの奇蹟がうまれた。
それがバンド、マイスター・シンガーズの誕生である。
ブルックナー、モーツァルト、ショパン、バッハという個性溢れる天才4人から成るこのバンドは、紆余曲折を経ながらも着々と活動を重ねていき、やがて単独でホールを満員にするようになっていく。
知る人ぞ知る、インディーズ界における生ける伝説となりつつあったマイスター・シンガーズであったが、突如としてオリジナルメンバーとしてバンドを牽引した一人、ブルックナーが脱退を発表。
このときメンバー間で何があったのかは今も明かされていない。
そして、ブルックナーの抜けた穴を埋めるべく、マイスター・シンガーズに新たな天才が加入。
愛されたがりのカリスマ、ベートーヴェンである。
こうして現在のバンドが完成、奇想天外なライブ、独特の世界観を持つ楽曲の発表、といった様々な挑戦を繰り返しながらもマイスター・シンガーズはシーンの中心で常に旋風を巻き起こし続ける。
パフォーマンス、観客動員数、CD売上枚数、有料配信売上などといった、あらゆる面で絶頂期を迎えたマイスター・シンガーズは、突如として解散を発表する。
かつてない社会現象とまで言われたこの4人組が、果たしてどのような終着点に辿りつくことになるのか、今まさに多くの注目が集まっている。



